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クランクセット交換

いままで色々やらかし続け、最近ではGoogleで「シェボー」と検索すると最初に表示されるという、 意味のわからない状態にまでなって参りましたが、 今回は最後の大物、クランクセットの交換です。

とりあえす、デフォルトのクランクセットはこんな感じです。

デフォルトクランクセット

歯数が42/34/24T、クランク長は170mm、チェーンラインは47.5mm(多分)、四角テーパー軸なメーカー不明のブツで、 そこはかとない残念感がシェボーっぽいいい味を出してます。
最初はアウターのチェーンホイールだけを変えてみようかとも思ったのですが、 PCD(チェーンホイールを固定するボルト穴の中心点を結んでできた円の直径)が小さすぎて、 適合する42T以上のチェーンホイールがありませんでした。

対して交換するブツですが、色々と選択肢はあります。
が、以前シェボーのクランクをAlivioのものに換えられた方からの情報によると、デフォルトのBB軸長は110mmで、 同じ四角テーパー軸のAlivioなどでも軸長が足らず、どの道BB交換は必須っぽいようですので、 BB付属で中空軸が素敵なDeore(FC-M590-L)をチョイス。
こんな箱に入ってました。

台形な箱

中はこんな感じです。(袋は外してます)

FC-M590

歯数48x36x26T、クランク長170mmで、クランクと軸が一体化された2ピースタイプのクランクセットです。左下の丸いのは付属のBBです。
シマノの2ピースタイプのクランクセットにホローテックIIってのがありますが、これはクランクそのものが中空でないとそう呼ばないみたいです。
このDeoreのクランクは中空でなく裏が肉抜きされているだけですので、ホローテックIIではありません。(DeoreLXから上はホローテックIIです)
あと、チェーンガード付きの物を選びました。たまに背広で自転車通勤する事がありますので、巻き込まれると色々困りますので。

さて、交換作業です。今回は色々と盛りだくさんです。
まずは、デフォルトクランクの取り外しです。
と、その前に、べダルを外しておきます。
ペダルを外すにはかなり力をかける必要がありますので、クランクを外した後に外そうとするとかなり往生するはずです。

2年ぶり

思えば最初に取り替えたのがこのペダルでしたが、今まで一度も外してませんでした。
最近キコキコ言ってるんでそろそろ寿命が近いのかもしれないです。

クランクを取り外すには、まず、クランク中央にかぶせてあるプラスチックのカバーをマイナスドライバーなどを使って取り外します。
取り外すとこんなになってます。


ピンボケしててよく見えないですが、中央にボルトがあります。まずはこれをソケットレンチなどで取り外します。
ペダルのように逆ネジということはありません。そんなに固くは締まっていないです。外すとこんなになってます。


内側に溝が彫ってあるのがわかると思いますが、ここにクランク抜き工具という専用工具をねじ込みます。
こんな感じの工具です。シマノ純正品でも1,000円程度で入手できます。


写真の向かって左側のネジをクランクの溝にねじ込みます。
こんな感じです。


あとは、突き出た小さいほうのボルトをモンキーレンチでねじ込みます。


グイグイとねじ込み続けると、そのうちカクンと力が抜け、クランクが軸から抜けます。

BBが錆色なのが非常に気になります。

同様にして反対側のクランクも取り外します。

お次はBBの取り外しです。実は今回の交換のメインイベントともいえます。
というのも、BBは構造上かなり力のかかる部分で、かつ、巻き上げた水などをかぶるため非常に錆びやすく、購入してから時間が経っていると固着して外せないと言う事態が往々にして起こります。
ショボ太も購入してから一度も外していない(通常当たり前)ため、非常に心配なところです。

BBの取り外しにはBB抜き締め工具という、これまた専用工具を使います。
シマノ純正品(TL-UN-74-S)で1,000円程度です。

TL-UN-74-S

工具のギザギザな歯の部分を、BB側に同じように彫ってある歯とかみ合わせます。
ただ、このかみ合わせですが、非常に掛かりが浅いです。素人が見ても一目で浅いとわかります。
特に、右側は錆色でかなり固いことが容易に想像できます。一度歯をなめてしまうと素人はおろかプロでもどうしようもなくなってしまいます。
と、ここで、以前Alivioクランクに交換された方に教えてもらった素敵な方法を採用します。
それが、こちら。

「外れるなら押さえとけばいいじゃない作戦」。しかし掛かりが浅いよ...

「外れるなら押さえとけばいいじゃない作戦」です。
BB抜き工具を、何か幅の広い金具と先ほど外したクランクのボルトで、押さえつけておきます。
使ってるのは最初にハブをばらしたときに使った思い出(笑)の板スパナです。手元にあった適当な金具がこれしかなかったんで。
この状態でモンキーレンチを使って外します。モンキーレンチはできるだけ柄の長い物を用意した方がよいです。
また、押さえつけておくのは、BBが緩んで回り始めるまでにしておいた方がよいです。(BBの軸に負担がかかるので)


左側(チェーンホイールのない方)は正ネジで、右側は逆ネジです。いずれも、「外すときは自転車の後ろ方向から前に力を入れる」という感じです。
左側を外してから右側を外すというのが普通らしいです。
左側はそうでもないですが、右側はそれこそ鬼のように固かったです。
KURE-556をイヤというほど振りかけて5分ほど放置し、全体重をかけ、「そろそろあさひのお世話になろうかね」と諦めかけたぐらいでようやく外れました。
コツとしては、同じ力でも、ジワジワと力をかけるより、グッグッと緩急をつけたほうがいいみたいです。

外したBBがこちら。

MDDUS BC-73?

VPと言うメーカー(?)のBC-73という軸長110.5mmのBBでした。砂を噛んでるのかかなりガリガリ言ってました。
外した後の跡地がこちら。


思ったよりきれいでした。

さて、ここまで来ると折り返し、新しいクランクの取り付けです。
まずは、新しいBBを取り付けます。
新しいBBはこちら。


新しいBBには軸がありません。
クランクと一体化された軸を支えるリング状の軸受けにベアリングが仕込まれていて、それがBBとして働くような構造になっています。
BBには付属のスペーサーを噛ますよう指示がありました。2.5mmのスペーサーを右に2個、左に1個取り付けます。
このBBの取り付けには、これまた専用の工具が必要です。

TL-FC32

価格は1,000円程度です。同様の工具にTL-FC36というものがあります。
工具の歯とBBの溝が全周にわたって嵌合するため、BBに傷が付きにくくなってますが、値段は3,000円強と3倍します。
どうせ基本1回しか使わない工具ですので安いほうを選びました。
外した旧BBの跡地に新BBをはめ込むとこんな感じになります。


旧BBと同様、左が正ネジで右は逆ネジです。手で締めるだけ締めたら工具を使って締めます。
改良版工具が作られるだけあって、やっぱり傷が付きました。
組み付けトルクは35~50Nm(30cmのモンキーなら15kgぐらいの力)なので、傷つけずにやるってのは難しいかもしれないです。

BBの取り付けが終わったらクランクの取り付けです。


こんな感じで右クランクと軸が一体になってます。
この軸をBBの軸受けに奥まで挿し込みます。
ただ、これ、結構固いです。手で遠慮がちにやってたらいつまでたっても終わりませんので、私はプラハンでド突きました。
ガッツンガッツンド突いてたらこんな部品がどこからか落ちてきました。いるものでなければいいですが...


右クランクのド突きが終わったら、左のクランクを取り付けます。
クランクと軸には幅の違う溝が切ってあって、正しい場所でしか嵌合しないようになっており、間違えようがないようになってます。
奥まで挿し込んだら、クランクに付属していたキャップを左クランクに取り付けます。
取り付けには専用工具が必要です。

TL-FC16

100円以下のもので、なんだかそのまま捨ててしまいそうなたたずまいですが、これがないと取り付けられません。


キャップをクランクの溝にねじ込んで、最後にTL-FC16で締め付けます。
手で回すことができるぐらいの強さでよく、決してプライヤーなどで強く締め付けないようにとのことです。
次に、脱落防止用のツメを押し込みます。


最後にクランク固定用のボルトを締め付けます。固定用ボルトは2本あり、交互に均等に締め付ける必要があります。
締め付けトルクは12-14Nmですので、馬鹿力をかけるとオーバートルクとなります。
トルクレンチを使えとありましたが、そんな高級品は持ってませんので目分量でいい具合にやっちゃいました。当然、お勧めはしません。

あとは、ペダルを取り付け、チェーンを通し、ディレイラを調整して完成です。
チェーンはチェーンリングが大きくなるので前のは短くなるため使えません。
新チェーンもいままでと同じCN-HG91にしました。
ロードの適正なチェーンのコマ数はトップxアウターにかけたときにRDのプーリーが垂直に並ぶコマ数との事でしたので、
そんな感じになるようにコマ数の調整をしました。
意外に手間取ったのがFDの調整で、ケーブルを張っても張ってもなかなかアウターまで到達せず、四苦八苦しながらギリギリ変速できるところまで持っていきました。世の中の皆様はどうやってるのか非常に気になります。
で、開始から4時間、出来上がり図がこちら。


かなりゴツくなりました。
乗ってみましたが、やっぱりかなり重いです。42Tならではの7s発進はムリになりました。
実際あまり使ってなかった中速域のギアを多用しそうな予感です。
通勤路でどのぐらいスピードが出るかは明日試してみます。

3ヶ月ほど使ってみました。
平地でも3x8のトップ常用運用はムリです。脚力が足りません。
3x6とか2x6近辺がお気に入りです(デフォルトの3x7ぐらいのギヤ比でしょうか)。
スピードは普通に漕いでても車道の流れに乗れるようにはなりました。
後先考えずに漕ぎまくれば50km/hぐらい出ます。ただし、フレームがブレまくってかなり怖いです(笑)

  • 教訓:時間に余裕をもってやりましょう。
  • 使用工具類:
    • TL-FC10 コッタレスクランク専用工具 (1,249円)
    • TL-UN74s ボトムブラケット取り付け工具 (1,270円)
    • TL-FC32 クランクアダプター取り付け工具 ホローテックII用 (881円)
    • TL-FC16 クランク組立工具 ホローテックII用 (78円)
  • 交換パーツ:
    • シマノ FC-M590-L[48x36x26T] (8,076円)
    • シマノ CN-HG91 (2,005円)
  • 費用:0.49シェボー(13,559円)

文中、Alivioクランクに交換された方に送っていただいた、Alivioクランクへの交換時の手順も載せちゃいます。
2代目シェボー(サスフォーク版)オーナーな方です。
手順ですが、BBの取り外しまでは一緒です。
Alivioのクランクは四角テーパー軸のものとオクタリンク軸のものがありますが、四角テーパー軸のものを選ばれたそうです。
四角テーパーやオクタリンク軸の場合は、ホローテックII用BB工具が不要となります。
交換前のBBが下、交換後のBBが上です。


諸般の事情により、交換前はデフォルトとは違うシマノの113mmのものだそうです。
交換後のBBはシマノBB-UN26の122mm軸のものです。
四角テーパー軸やオクタリンク軸のBBには、

  • シェル幅
  • 軸長

のサイズの組み合わせがたくさんあります。
シェボーのシェル幅は68mm、Alivioクランクの推奨軸長は122mmですので、そのサイズのものを選びます。
軸長が短いと、フレームとクランクが干渉します。長いとチェーンラインがずれます。
シェボーデフォルトのBBでは軸が短いらしく、そのままではフレームと干渉するそうです。正しいものを買いましょう。

BBの取り付けは、取り外しに使ったBB工具を使って取り付けます。
こちらが、元祖「外れるなら押さえとけばいいじゃない作戦」です。25mm径のワッシャーでスマートですね。


当然、取り外しと逆に回して取り付けます。グリスを薄く盛っておくと固着を防げます。

BB軸にクランクを差し込みます。


差し込んだら、軸の真ん中にあるボルト穴に固定ボルトを差し込み、ソケットレンチなどで締めこみます。
締めこむと、じわじわとクランクが内側に締め付けられますので、止まるまで締め付け続けます。
ただし、締め込みすぎるとボルトの頭がもげるらしいので気をつけてください。(笑)
後は、逆側のクランクを取り付けます。固定方法は左右同じです。ボルトは左右どちらも正ネジです。
四角テーパー軸ではあまり間違えることはないでしょうが、オクタリンクの場合は左右のクランクが180度開いた状態でなく、ずれた状態になりやすいので、気をつける必要があります。

あとは、チェーンを通して完成です。


RDもAlivioですので、純正品的なしっくり感があります。 なお、FDもクランクセット交換にあわせてAlivioのFDに交換されています。
(デフォルトFDは、Alivioとデフォルトクランクでチェーンラインが異なるため、おそらく流用できないのではないかと思います。)

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