なんで自転車の車輪って回るのかって不思議に思ったことないですか?
軸はフレームに固定されているのに車輪は回ってるのです。
ショボ太に実験台になってもらいました。
とはいえ、前乗ってたボロ自転車ならともかく、曲がりなりにも買って数ヶ月の自転車をバラして壊したら、嫁さんにかなりの勢いで叱られますので、バラし方をネットで調べてからやってみました。
で、私の乏しい読解力から導き出したハブの構造がこれです。

ハブの本体、車軸が収まる箇所の周囲に溝があり、そこにベアリングが収まります。そのままではベアリングは落ちてしまうので、それを押さえるための「玉押し」をねじ込み、さらにその玉押しを「ロックナット」で固定しています。
図では微妙ですが、玉押しとハブ、ハブと車軸は触れていません。従って、車軸が固定されていてもハブ(=車輪)はくるくる回るという仕組みでした。
ハブをバラすと言うことは、「ロックナットを外して、その内側の玉押しを外す」ってことらしいです。
それじゃバラして本当か確認してみましょう。リアはパーツが多いんで、簡単そうなフロントハブでやってみます。
まずは、はずす前。

なにやらグリスが染み出してます。
フレームからホイールをはずします。フレームの外側に締めてあるボルトをレンチで普通にはずします。ラチェットがあると楽ですね。
なお、Vブレーキのワイヤーをリリースしておかないとブレーキシューにタイヤが引っかかって外れません。

ちなみに作業台などといったブルジョアな物は持ってませんので車体を逆さまに置いて作業しました。下に何か敷いておかないとシフターなどが削れてボロボロになりますので注意してください(てか、ボロボロになりました)。
ここからが本番。
とりあえずやりたいことは「ロックナットを外す」ことです。が、ロックナットにレンチを当てて回しても車軸が一緒に回るだけで埒があきません。
で、どうするかですが、玉押しに「ハブスパナ」という工具を当てて車軸を固定しつつ、ロックナットを緩めるという方法をとるらしいです。

さっきの写真ですが、玉押しの側面に切り欠きがあるのがわかります。ここにハブスパナを当てます。
ハブスパナは要は厚さの薄いスパナです(普通のスパナだと厚すぎてうまく引っかかりません)。
「要は薄けりゃいいんだろ」ってことで例によってダイソーで見つけたのがこれ。

何mmかわかんないけど、6サイズもあればどれか当たるだろってことで。
で、実際当ててみると、6サイズ全滅。
ノギスで測ってみると15mmで、上のスパナのサイズが8,10,12,13,14,17mm。嫌がらせですか?
仕方ないんで、いったん外した前輪を付け直して近所のリアルあさひに買いに行ったんですが売ってません。
そこで、玄人向け工具の品揃えが豊富なホームセンター「グッデイ」で「15mmの薄型スパナ」を探したんですが、13mm,14mmまであるのに15mmがないのです。どうやら、15mmのスパナってのはかなり珍しいサイズらしいです。
店の隅から隅まで探してようやく見つけたのがこれ。

とりあえず、コレでやってみます。玉押しの切り欠きにあてがったら、ロックナットをスパナで緩めます。結構きつく締まってて、結局ロックナット側を30mmの大柄なモンキーレンチでつかんで回さないと緩んでくれませんでした。
上の板スパナですが、材質がやわらかいのか、つくりがしょぼいのか、1回使っただけで変形して次回使えるかどうか微妙な感じです。ちゃんとしたのを買い直そうと思います。
ロックナットを取り去って、玉押しを外すとこうなってました。

やっぱり理論通りでした。(当たり前)
外しただけでそのまま閉じるってのも面白くないので、グリスアップしてみます。
ベアリングはなくしたりするとかなり困ったことになります。なくさないように注意が必要です。
買ったばかりなのでグリスはずいぶん残ってましたが、パーツクリーナなどで全部きれいに取り去りました。
で、ここに来て、手元にこんなグリスしかないことが判明。

かなりやわらかいグリスで、若干不安です。後でちゃんとしたグリスにしときます。
どのぐらい盛ればいいかよくわからないんで、とりあえずてんこ盛りで。

ベアリングを並べたら、車軸を差し込みます。ベアリングをこぼさないように注意して車輪を裏返して反対側にもグリス+ベアリングを並べ、玉押しとロックナットを締めれば終~了~。
とは問屋が卸しません。
というのも、一番上の図の玉押しとベアリングの間というのは
- 締めすぎるとスムーズに回らなくなり(ゴリ)
- 緩めすぎると車軸がぐらつく(ガタ)
と結構デリケートらしいです。
しかも、玉押しを完璧に調整しても、その上にロックナットを締めると締まりすぎてゴリが出るという一見さんお断り的な雰囲気を醸し出してます。
「ゴリが出ずガタも出ない」という素人にはどんな加減が正しいのかわからない曖昧な感触を再現すべく、何回も締めたり緩めたりと繰り返して、「わかんないけど最初と同じぐらいか」と思うところでひとまず終了。
慣れた人に完璧に調整してもらった物の感触が知りたいところです。
作業を始めて数時間、辺りが薄暗くなって作業完了。プラスマイナスでいうとマイナスってところでしょうか。